初めての「大阪中之島美術館」②
「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」展

開館3周年記念特別展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」

🔸大阪中之島美術館 4階展示室 🔹2024年9月14日〜12月8日 

※東京国立近代美術館(2024年5月21日〜8月25日)からの巡回展。

パリ(パリ市立近代美術館)、東京(東京国立近代美術館)、大阪(大阪中之島美術館)のコレクションから選りすぐりの作品を集めての展覧会です。

さまざまなテーマにもとづいて3館から1点づつ集めてトリオを組み展示するという、

あまり見たことがないタイプの展覧会です。

かなり偏りがあるとは思いますが、いいなと思った作品をいくつか紹介させていただきます。

5階から4階へ トリオ展に入場です

5階の「塩田千春 つながる私」展を出て、4階へと向かいます。

ヤノベケンジ「ジャイアント・トらやん」

現金なら5階でもチケットを買えると聞いてたんですがダメで、

いったん2階へ降りてチケットを購入、再び4階の展覧会入口まで戻ってきました。

開館3周年記念特別展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」

それにしても展覧会名長すぎ。あれこれ詰め込み過ぎ、欲張りすぎです。

佐伯祐三「郵便配達夫
ラウル・デュフィ「家と庭」

明るい色使いの作品が多いイメージのデュフィ。この作品もいい感じです。

辻永「椿と仔山羊」

初見の画家さん。赤い椿と白い山羊の組み合わせが斬新。

ジャン・フォートリエ「森」
有元利夫「室内楽」

38歳という若さでこの世を去った有元利夫さんの作品。

大山崎山荘美術館での展覧会で初めて知ってファンになった画家さん。

歴史的な作風のようでいて実は現代的。独特な作風です。

ジョルジョ・デ・キリコ「慰めのアンティゴネ」

ひと目でキリコとわかる独特の作風です。

アメデオ・モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」

多分ですが「大阪中之島美術館」のコレクションの中でも代表的な存在であるモディリアーニ。

ただ、このコーナーの作品に関しては写り込みが気になって集中しづらかったのがちょっと残念でした。

アンリ・マティス「椅子にもたれるオダリスク」

このようにテーマごとに3つの美術館の作品が並んで展示されています。

上の写真の場合は全部で34あるテーマのうちの17番目“こどもの肖像”で、

左から順に大阪(大阪中之島美術館)、東京(東京国立近代美術館)、パリ(パリ市立近代美術館)の所蔵品が展示されています。

藤田嗣治(レオナール・フジタ)「少女」

ちょっといつもと違う感じ、インパクト強めのフジタです。

藤田嗣治(レオナール・フジタ)「五人の裸婦」

こちらはお馴染みの作風のフジタの作品。

小倉遊亀「浴女 その一」

ここで前半部分が終了。一旦通路に出て次の会場へと向かいます。

トリオ展 後半へ

パブロ・ピカソ「男性の頭部」
萬鉄五郎「もたれて立つ人」
カレル・アペル「村の上の動物たち」
菅井汲「風の神」

自分的に今回の1番はこの作品。

もちろんうまく説明はできないんですが、色合いや構図・洗練感など、惹きつけられる1点です。

イヴ・クライン「青いヴィーナス」
ジャン・アルプ(ハンス・アルプ)「植物のトルソ」

艶めかしくエロティックな作品。

草間彌生「No. H. Red」
マーク・ロスコ「ボトル・グリーンと深い赤」
倉俣史朗「Miss Blanche(ミス・ブランチ)」
ジャン=リュック・ムレーヌ「For birds」
奈良美智「In the Box」

やっぱり奈良さんの作品はインパクトがありますね。

惹きつけられる理由はなんだろう。やっぱり目なのかなあ。

畠山直哉「「津波の木」より 2019 年 8月2日
福島県南相馬市」

津波の影響を受けた木を、大判カメラで精細に撮影した作品。

ポイントはタイトルに日付を入れたことか。

写真はその日その場所でこの木が確かに存在していたという記録。

見る人には震災から撮影日、撮影日から現在に至る時間の流れを想起させます。

作家の経歴なども含めて考える時、この写真は単なる風景写真ではなくて現代美術的な側面の強い作品なんだと思います。

まとめ

各美術館のコレクションが短期間で大幅に変わるなどということはまずありえません。

にも関わらず、次々に企画を考えて展覧会を開催しなければならない関係者の皆さんは本当に大変だと思います。

今回の展覧会も、テーマを決めてパリ・東京・大阪の美術館から1点づつ作品を集め、並べて展示するという若干無理筋の企画かなって思ってましたが、

結論から言うと良かったです。

“その作品がどこの美術館のコレクションか”だとか、“設定されたテーマと作品が一致しているか”などということは1ミリも考えませんでしたが、

展示作品の制作時期が自分の好きな時代だったこともあって結構見応えがありました。

余談ですが、このあたりの年代の作品を得意とする美術館は「ひろしま美術館」や「大原美術館」など国内にもいくつかあって、

今回コレクションの一部がやってきていた「東京国立近代美術館」は質・量ともに日本の最高峰。

あと、自分のイチ押しは東京にある「アーティゾン美術館」。コレクションの内容がびっくりするぐらい自分の好みと一致していて、訪問する度にテンション爆上がりになるお気に入りの美術館です。東京駅そばのとても便利な場所にありますので、行かれたことがない方はぜひ行ってみてください。

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