香川県三豊市にある「粟島(あわしま)」で
「瀬戸内国際芸術祭」と島散歩を満喫です

2025年11月3日、「瀬戸内国際芸術祭」開催中の粟島に行ってきました。

粟島は香川県三豊市にある人口150人程度の小さな島。

3年おきに開催される芸術祭の期間には、海外からのお客さんも含め多くの人が島を訪れます。

当日撮影した写真を使って芸術祭および島内の様子を紹介します。

「須田港」へと向かいます

西条インターから高速に乗り、さぬき豊中インターを経由して粟島行きの船が出る須田港へと向かいます。

西条インターから須田港までの所要時間はちょうど1時間くらい。

港では係の方に指示された場所に車を停めます。

列に並び、券売機で往復券を購入。粟島往復の料金は660円です。

芸術祭の期間には臨時便も出るみたいで、自分たちの場合も予定より20分早い8時50分の出港でした。

「粟島」へと向かいます

粟島へは80人乗りの高速船を利用。甲板まで乗客でいっぱいです。

途中、進行方向右側の風景です。

画面の中央にある島が志々島で、瀬戸大橋も見えています。

約15分で粟島に到着です。

粟島は3つの島が細い砂州で繋がった不思議な地形の島。

「瀬戸内国際芸術祭」の作品巡り

芸術祭関連の見どころは港の周辺に集中しているので、見て回るにはとっても便利。

作品は7カ所に展示されていて、一番離れた場所でも港から徒歩で5分程度です。

青野文昭「帰り着く家-瀬戸内粟島古家滞留積層脳海図像・2025」

まず最初に出会ったのがこちらの作品。

NHK日曜美術館の瀬戸芸の回でも紹介されていていました。

古い家屋に手を加えた作品で、瓦の面を水面(境界)と考えることで、

その上下で“地上と海底”、“現在と過去”というような対比が現れてくるという発想。

境界を超えて人や物や想いが行き来するというイメージで、

制作時期がちょうどお盆だったということもあってさまざまな思いがあったようです。

日比野克彦「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト ソコソコ想像所」

海底から引き上げられたものなどにコメントをつけて展示した作品です。

柏木崇吾「粟島の記憶を染める」

巨大な手から放たれる光によって植物が育っていくという作品。

巨大な手は粟島生まれの4歳の女の子の手をモデルに作られたもので、土も粟島のものだそうです。

島(土地)と人間、時間などの関係を可視化しようとした作品です。

タオリグ・サリナ「航海する記憶の船 ―ノマドギャラリー in 粟島」

廃校になった中学校の体育館を利用した、中国・内モンゴル自治区出身の作家による作品。

ゲルと船は移動だとか時間を想起させる器。空を舞う多数のカモメは幸運や自由、魂、悲しみなどの象徴で、鑑賞者がさまざまなイメージを重ねて鑑賞することができるタイプの作品です。

その他 粟島芸術家村で見た作品
エステル・ストッカー「思考の輪郭」

旧粟島幼稚園を利用した作品。

資料では子供達の遊び場としてかつての賑わいを取り戻すみたいなことが書かれてましたがホントに?

心拍計などがイメージされるこのビジュアルは、ヤバめの精神の部屋って印象。

結構、足場注意な作品でもあります。

トゥアン・マミ「《ボーダレス》ベトナム移民の庭(No.11) 灯台の庭 」

「思考の輪郭」の展示を出てすぐ、坂を登った先にある作品。

旧粟島小学校の校庭を使っての展示です。

ベトナム出身の作家さんの作品で、ベトナムにゆかりのある植物などが使われているとのこと。

よく見るとヘチマがたくさんなっているし、足元にはカボチャも。

このたくさんの鉢植えが置かれたエリアも作品の重要な一部。

植物や鉢の種類や色、配置などへのこだわりが空気感を作るんだと思います。

作品が巨大ってこともあって自分的には今回一番印象に残った作品です。

美術作品として少し距離を置いて見ていた人も、ヘチマなどを見つけることでひと騒ぎ、会話が生まれます。作品を眺めながらお弁当を広げている人もいたりして、ボーダーレスな交流の場という目的はある程度達成されたんじゃないでしょうか。

トゥアン・マミ「《ボーダレス》ベトナム移民の庭(No.11) 移民の庭の神殿
日比野克彦「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト Re-ing-A」

海底に沈んだ船から引き揚げたレンガで制作した象さんです。

グエン・チン・ティ「Awashima, Fall」

旧郵便局の建物を利用した作品。

グエン・チン・ティ「Awashima, Fall」

天井から吊るされたさまざまな楽器が、島民などから募集したメッセージをモールス信号に変換して演奏するという作品です。

文字をなんらかの法則でモールス信号に変換ということだと思いますが、自分も含め多くの人にとっては何がなんだかって感じだと思います。

ここ数年、自然現象などを数値化し、それを元にアートを作り上げるという試みを何度か見ましたがとにかく難解です。感性に加え、読解力、集中力などを試されるタイプのアートなのかもしれません。

感情や歴史、宇宙などを数値化してアートになんてことも今後試されるのかもしれません。

島内中心部を散歩です

港を出てすぐのところにある島のコンビニ・武内商店。

大通り沿いではなく路地に入口があるのがまず素晴らしい。

そしてこのビールとアイスクリームの看板です。粟島のパンフレットで使われている写真ではビールの看板も赤地に白文字になってましたが、断然今の方がいいですね。

観光案内にも記載のある「フミヤベンチ」。藤井フミヤさんが来島時に寝転がったベンチだそうですが、いくらなんでも無理筋じゃないですか(笑)。

漂流郵便局。

亡くなった人や未来の自分など、届け先が存在しないハガキを、局留めで預かり展示するプロジェクト。

立派なアートの試みだと思いますが今回の芸術祭とは直接的には関係がないみたいでした。

梵音寺のタブノキ。

「あわろは食堂」のざくろの木。

島の西側(下新田・竹の浦方面)へと向かいます

港から100mほど西に進んだところにあるレンタサイクル。

貸し出し及び返却はセルフ方式です。

料金500円(電動自転車は1000円)をしま子さんの口の中に入れて自転車を借ります。

「粟島海洋記念館」は改修中。

「粟島海洋記念館」の一部。不思議な色使いです。

1分ほど自転車を走らせたところで振り返り港のあたりを撮影。

画面中央に見える山は讃岐富士「飯野山」。

海岸線を西に伸びていた道はこの場所で行き止まり。

自転車を借りた場所からの距離は2.4km。高低差はほとんどない快適なコースです。

島の北側(西浜・東風浜方面)へと向かいます

港のあたりから出発、小さな峠を越えた後坂道を一気に下るとすぐに反対側の海に出ます。

約600mに渡って続く砂浜は夏場には海水浴場になるみたいです。

海岸線に出た後は東に進み、行けるところまで行ってみることにしました。

この場所で行き止まり。自転車を借りた場所からの距離はここまでで約1.5km。

島の東側(上新田・塩谷方面)へと向かいます

馬城八幡神社の鳥居。

このコース中の最高標高地点はすでに過ぎていて後は長い坂を下るだけでしたが、

下った坂は再び登らないといけないことにふと気づいた人生経験豊かな自分は、漁港を見下ろす上の写真の場所でのUターンを決断。

ちなみに坂を下ったところにある「ぶいぶいがーでん」のあたりまで行く場合は自転車を借りた場所からの距離で約4kmです。

高低差もあるかなり厄介なコースなので、可能なら電動自転車を借りた方がいいかもしれません。

まとめ

瀬戸芸目的で粟島を訪れる場合、目的地(約7カ所)はすべて港周辺の狭いエリアに集中しています。

たくさんの作品がこれほどコンパクトにまとまって展示されている島は他にはないと思うのでとても貴重です。

2時間くらいあればひと通りは見て回れるくらいの感じなので、スケジュールに組み込めそうな方には立ち寄ってみることをお勧めします。

他の島と同様に空き家は多いですが、長年の積み重ねか端々にアートが根付いてきている感じ。

今回は時期が良かったのかもしれないですが至る所に咲いている花々も印象的でした。

帰りの船の中から夕日を撮影。

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