大明神川について
大明神川(だいみょうじんがわ)は、愛媛県西条市の旧東予市地区の北部を流れる二級河川で、
典型的な天井川(周囲の土地より川床の方が高い川)として知られています。
高縄山地を源に燧灘へと流れ出る大明神川は、昔から暴れ川として知られ、過去には大きな被害を出してきました。
花崗岩地帯を流れる川であるため、洪水のたびに花崗岩が風化してできた砂土が大量に流れ出ます。
上流から流れてきた砂などが堆積することで川床が上昇、洪水に備えて堤防を高くするというサイクルを繰り返すことで天井川ができました。
川の下を鉄道が走る珍しい風景が見られることでも知られています。
※撮影日はすべて2023年7月17日です。
河口からさかのぼってみました
河口から1km地点まで
河口付近にて。この時間帯は少しだけ海水が流入してきています。
河口付近から上流方向。中央は新高須橋。
新高須橋。正面奥に見えるのは石鎚山。
新高須橋(河口から0.4km)から河口方向。
新高須橋(河口から0.4km)から上流方向。中央の道路は国道196号線で、奥に高速道路の高架が見えています。
国道196号の高須橋(河口から0.7km)。
高須橋から下流方向。
高須橋の西側付近の左岸道路にて河口方向。右側に見える白い川床の方が左の住宅地よりも高いことがわかります。
高須橋の西側付近の右岸土手。
土手に並ぶ松並木(約2千本が植えられていたそう)が有名な大明神川でしたが、松くい虫にやられ現在は数本を残すのみ。
高須橋の西側付近の右岸道路にて上流方向。
河口から2km地点まで
六髙橋東側付近の右岸土手にて。
ぐにゃぐにゃのガードレール。何がどうなったらこうなるんでしょう。
六髙橋(河口から1.4km)。
六髙橋から下流方向。
六髙橋から上流方向。高架の道路は「今治小松自動車道」。
右岸の土手から南方向。
予讃線の線路がが足元のトンネルに潜り込んでいきます。
右岸の土手から北方向。中央のコンクリートが一段高くなっているあたりの下に線路が走っています。
トンネルのすぐ南側にある川中踏切。正面奥に大明神川トンネルが見えます。
電車からすると普通に真っ平な地上を走っているだけですが、川と交差する時には川底が頭の上に来るという不思議な風景です。トンネルの長さは64mだそうです。
戻ろうとしたところで「しおかぜ」がやってきたのでパチリ。
左岸の土手から南側方向。中央のコンクリートの下を線路が走っています。
左岸の土手から北側方向。トンネルを抜けた線路は少し先で高速道路と交差します。
河口から3km地点まで
天井川大橋(河口から2.1km)。
天井川大橋から下流方向。
天井川大橋から上流方向。
大明神川橋(河口から2.6km)。
大明神川橋から下流方向。
大明神川橋から上流方向。
この辺りの河原は一面緑です。日常的に水気があるということでしょうか。
河口から4km地点まで
宮内橋(河口から3.4km)。周ちゃん広場の前からタオル美術館へと伸びる道にかかる橋です。
この辺りまで進んで初めて河原に流れている水を発見です。
宮内橋から下流方向。この辺りまで遡ってきて初めて水の流れを確認です。
宮内橋から上流方向。
甲賀橋(河口から3.7km)。
甲賀橋から下流方向。砂ばかりでなく小石が目立つようになってきました。
甲賀橋から上流方向。
河口から5km地点まで
大宮堰と呼ばれる堰堤。下流地区への取水口があります。
庄内橋(河口から4.5km)。
庄内橋から下流方向。
庄内橋から上流方向。
本日3本目の缶ジュースを購入。財布から500円玉が落ちて白い自販機の下へ。
熱い地面に膝をつけて回収を試みますが失敗。無念です。
河口から6km地点まで
旦之上地区の河岸段丘。段差に応じて石垣が積み上げられています。
中央左側の大きな島は「魚島」。撮影場所からの距離は約40kmです。
大掛堰付近にて。
河口から6km地点。左岸にあった道が右岸へと移り山の中へ入っていきます。
河口から7km地点まで
本谷温泉のすぐ下から本谷公園へと続く鉄橋。
鉄橋からの風景。フォレストアドベンチャーの吊り橋がかなり高いところにかかっています。
河口から7.2km 本谷温泉
本当はもう少し上流まで行って写真を撮るつもりでしたが、汗だくで足もいろいろと痛くなり始めていたので今日はここをゴールにすることにしました。
「道後温泉」「鈍川温泉」と並び「伊予の三湯」のひとつとして知られる「本谷温泉」です。
無色透明のさっぱりとした泉質の温泉で、展望風呂やサウナ・水風呂なども完備です。
一階の石湯を利用させてもらいましたが、いろいろとリニューアルされたみたいで、緑あふれる環境の中でとても気持ちよく過ごすことができました。食事もできますし、休憩用のスペースもあるみたいです。
アクセスの道路は山へ入る直前にちょっとだけ細くなる場所がありますが、ほぼ全域で道幅もたっぷりあって運転に不慣れな人でもほとんど問題ないと思います。
温泉の詳細はこちらの公式サイトへどうぞ。
※備え付けのボディーソープやシャンプーなどはありませんので持参が必要です。
まとめ
地元在住で30代以上くらいの人だと、西条から今治方向に進む時、休暇村の手前あたりで一段高い川の土手に松がズラリと並ぶ様子を覚えている人も多いんじゃないでしょうか。
大明神川は全長でも10km足らずのそんなに大きい川ではありませんが、周辺にはいろいろと見所があります。
下流域の河原では水は伏流しているためほとんど見られず、白く細かい砂で覆い尽くされています。
天井川になっているため周辺では家々の屋根よりも川床の方が高かったりします。
鉄道が川の下を通る天井川トンネルも鉄道ファンの間では有名なんだそうです。
山裾付近の扇状地ではわかりやすく河岸段丘が形成されていて、石垣や棚田の風景が見られます。
中上流域では振り返るとずっと瀬戸内の海が見えていて、天気が良ければ香川県の庄内半島のあたりまではっきりと見えるはずです。
そして山に入り少し進めば伊予の三湯のひとつ「本谷温泉」です。
わずかな距離を移動する中で次々に変わる風景はちょっと知識があるといろいろと楽しめると思います。
洪水で被害を受けた歴史や、水利で揉めた歴史などの知識がある方などはさらに深く感じるところがあるかもしれません。
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