
愛媛と高知の県境付近を走る眺望抜群のドライブコース「UFOライン」を紹介します。
「UFOライン」は「瓶ヶ森林道」などの名称で呼ばれることも多い人気の道路で、正式名称は「いの町道瓶ヶ森線」。
“UFOライン”の名前の由来は、かつて呼ばれていた“雄峰ライン”という名称と、道路上でのUFOの目撃情報が合わさってできたものみたいです。
1700mクラスの山々の山頂を間近に眺めながら一面の笹原の中を車が通過する風景がCMなどにも使われる人気のコースで、
全国から多くの観光客やライダー、登山者などが訪れます。
写真の撮影日はすべて2025年7月7日です(写真下に日付の表記がある3点を除く)。
「UFOライン」へと向かいます
「UFOライン」へ車で向かうには次の3つのルートがあります。
① 「石鎚スカイライン」を経由して「土小屋」を目指す。
② 「国道194号」の「寒風山トンネル」のどちらかの入口付近から「西条市道加茂24号線」または「いの町道一の谷寒風線」を利用して「旧寒風山トンネル」を目指す。
③ 「国道194号」から「高知県道40号線(石鎚公園線)」に入り「よさこい峠」を目指す。
今回は出発地点が新居浜なので、最も手っ取り早い②のルートを利用。「寒風山トンネル」の高知側入口付近から町道に入り、「旧寒風山トンネル」を目指しました。
「旧寒風山トンネル」へと向かいます
「国道194号」から別れ、ほとんど眺望のない森の中をヘアピンカーブを何度も繰り返しながらぐんぐん標高を上げて進みます。道はかなり狭めなので注意が必要です。

「UFOライン」の入口である「旧寒風山トンネル」付近に到着です。

ひとつ上の写真のすぐ奥にある「旧寒風山トンネル」です。
以前は先で通行止めになっていたと思うんですが、現在は「国道194号寒風山トンネル」の愛媛側入口付近まで普通に通行ができるみたいでした。

「旧寒風山トンネル」の入口付近に立って撮影。先ほど登ってきたのは左奥からの道で、これから向かう「UFOライン」は右へと伸びる道です。
土日にはショップが開店したりすることもあるみたいですが、この日は平日だったためあるのは駐車場とトイレだけ。自動販売機などもないので注意が必要です。


この場所はさまざまな山の登山口にもなっているみたいでした。

「UFOライン」はここから「土小屋」までの約27kmのはずですが、この16.7kmという数字はなんなんでしょう。「瓶ヶ森」の駐車場までの距離?
飲み物(自販機含む)や食べ物の販売は「土小屋」まで無かったと思うので注意が必要です。
※「シラサ峠」には民間の宿泊施設がありカフェや売店などは宿泊客以外も利用できるとのこと。

「UFOライン」入口。冬季は閉鎖されます。
UFOラインに入っていきます
どんな素晴らしい景色が見られるんだろうと、期待しながら先へ進む人がほとんどだと思いますが、
スタートから5kmくらいの区間は道の両側には木々が生い茂り、普通に前だけみながら運転していると期待していたのとは違って単調な風景ばかりと感じられるかもしれません。

「UFOライン」に入って約3km進んだあたりで、道の左側に「水資源機構桑瀬雨量観測局」の建物を見つけたら付近の広い場所に車を停めてみてください。

振り返ると「寒風山(1,763m)」が見えます。

視線を少し右側に移すと「笹ヶ峰(1,859m)」です。



「第三号隧道」を出たところで正面に見える山は「伊予富士(1,756m)」。

「伊予富士」登山口です。

この辺りで「UFOライン」に入って約9km、標高は約1540mまで上がってきています。

「伊予富士」登山口付近で上を見上げるとこんな感じ。
目の前には笹原が広がっています。

東黒森・自念子ノ頭付近にて
「第7号隧道」を抜けて少し進んだところで一気に西側の視界が開けます。
この辺りからしばらくの間がこのコースのハイライトなので、駐車スペースを見つけたらこまめに駐車して風景を楽しみましょう。

画面中央のピークが「自念子ノ頭(1,701m)」です。


この日は道路の両側が草で覆われていましたが、ちょっと先のあたりでは業者の方が入って草を刈っていたようなので数日後にはガードレールがくっきり現れる状態になっているかもしれません。

少し進んだ先で道が広くなっている場所があり、ここが「UFOライン東黒森退避場」。やってきた方向を振り返って撮影です。
この場所は稜線を走る登山道への入り口にもなっていて、1〜2分山に登るだけで道路面を上から見下ろすことができます。

上の写真は2022年10月に「UFOライン東黒森退避場」から登山道に入り東黒森方向へ2〜3分進んだ場所から撮影したものです。
画面中央右のとんがったピークが「西黒森(1,861m)」で、そのすぐ左側の頂上が平らになっている山が「瓶ヶ森(1,897m)」。「自念子ノ頭」と「瓶ヶ森」の間に見えているのが西日本最高峰の「石鎚山(1,982m)」です。
瓶ヶ森へと向かいます
「自念子ノ頭」のピークを回り込み少し進んだ先にあるのが「神鳴池」。
以前は池だったようですが、現在水は無く一面の笹原が広がっています。



しばらく進むと再び視界が開ける場所に出ます。
正面に見える山が「瓶ヶ森」。左側の岩が目立つ方のピークが「男山」で右側の一番高いところのピークが「女山(1,897m)」です。
比較的平坦な道が続くエリアですが、標高はかなり上がってきていて「男山」の下あたりで約1690m。「UFOライン」中の最高標高地点です。

さらに進み、「瓶ヶ森」の中腹部分を走る道路上から撮影です。

上の写真とほぼ同じ角度で撮影した写真(撮影日は2008年10月13日)。自分が知っている限りではこの付近の紅葉が一番素晴らしかったはずです。

もう少しで「瓶ヶ森」の駐車場という所で振り返って通ってきた道を撮影。
画面中央の山は「西黒森(1,861m)」です。

再び、以前に撮影した紅葉の写真。「西黒森」山頂付近の紅葉で、撮影日は2008年10月13日です。


「瓶ヶ森」の駐車場に到着する直前、道路の左側に休憩スペースやトイレなどのある整備されたエリアがあります。

先ほどの休憩所やトイレがあった場所から100mほど進んだあたり。駐車場への入り口です。
右上から下ってくる道が「UFOライン」の本道で、第一駐車場に向かうにはこの場所でUターン気味に折り返す必要があります。

広大な「瓶ヶ森登山口駐車場」。右上に見えるピークが「瓶ヶ森」の「男山」です。

駐車場から「男山」のピークまでは徒歩で約30分。そこからさらに約10分進んだ先に「瓶ヶ森」の最高標高地点「女山」があります。
「瓶ヶ森」の登山記事については後日アップ予定です。
よさこい峠まで

「瓶ヶ森」から出発すると「UFOライン」は一気に標高を下げていきます。
途中、正面に見えるこの独特な山は「子持権現山(1,677m)」です。

「瓶ヶ森」の駐車場からだと走行距離で約4km、標高で約260m下った場所に、
「UFOライン」中で唯一の宿泊施設「山荘しらさ」があります。
今回は立ち寄りませんでしたが、宿泊客以外でも売店やカフェを利用できるみたいです。
先ほど横を通り過ぎた「子持権現山」が山荘の屋根の左上のあたりに見えています。


「しらさ峠」を出発して100mほど進んだところにある「四国山岳碑」。

さらに約700mほど進んだところにある「伊吹山」登山口です。
山頂までは200mほどで、標高差も37mほどなので5分ほどで簡単に登ることができます。

「よさこい峠」に到着です。
ここは石鎚登山目的の人など多くの方が利用する「高知県道40号線(石鎚公園線)」が合流する場所で、「UFOライン」では交通的には一番重要なポイントです。



三叉路の横の奥まったところにトイレがあります。

本日のゴール地点「土小屋」まであと3kmです。
土小屋へと向かいます



水の都「西条」にとって最も重要な川である「加茂川」の源流碑です。



「土小屋」までの数キロはブナなどの森がとっても美しい区間。
車を停め、アスファルトの上に立ってカメラを構えるだけで、深い森に迷い込んだかのような写真が撮れます。


「UFOライン」のゴール地点(起点でもあります)である「土小屋」に到着です。
この場所は昔から石鎚の登山者の多くが利用する場所で、宿泊施設や売店、レストランなどがあります。

ずっと高知と愛媛の県境付近を通っていた「UFOライン」ですが、この「土小屋」付近は完全な愛媛県です。

「旧寒風山トンネル」を出発して以降まったく見かけなかった飲み物の自販機です。
特別な価格設定ではありますが、冷えた飲み物が本当にありがたいです。




モンベルのショップです。

土産物も色々と売られてました。
まとめ
「UFOライン」は四国内では四国カルストと並んで人気のドライブコースです。
山々の山頂を間近に見ながらあたり一面を覆い尽くす笹の間を道路が抜けていく区間など、
初めて訪問される方などは結構衝撃を受けるんじゃ無いでしょうか。
景色についてはさまざまなメディアで取り上げられることも多く、最近ではカローラスポーツのCMで登場しました。
新緑や紅葉の時期は特に素晴らしく混み合うこともあるようですが、いつ行っても何かしら発見のある魅力的なコースです。
夏の暑い日も海沿いの市街地などと比べると少なくとも5℃以上は涼しいはずですし、
冬場は閉鎖されますが絶景が展開されていることは間違い無いエリアです。
道路を端から端まで通り抜けるだけでも十分楽しいんですが、
余裕があれば登山の準備をしてどこかひとつの山に登ってみることをお勧めします。
「UFOライン」を起点に登ることができる山は10くらいあるんですが、
個人的には「瓶ヶ森」を強くおすすめします。
駐車場に車を停め、わずか30分程度の登山で四国で3番目に高い山に登ることができるんです。
晴天時に山頂付近から一面の笹原越しに石鎚山を眺む風景は自分的には四国で一番だと思っています。
それぞれの体力やスケジュールに応じて、「UFOライン」を満喫してください。
コメント