四国内で撮影した紅葉の写真を紹介するシリーズの2回目。
今回は徳島県三好市の紅葉スポットを3ヶ所、雲辺寺、箸蔵寺、祖谷のご紹介です。
不便な場所のように思われがちな三好市ですが、ちょうど四国の真ん中あたりにあることもあって高速を利用すれば各県庁所在地から3スポットとも2時間程度で行けるぐらいの距離感です。
雲辺寺
香川と徳島の県境にあるお寺で、境内は山の山頂付近、かつてスキー場があった場所のすぐそばにあります。
雲辺寺への参拝客の多くが利用するロープウェイは香川県にあり、四国八十八ヶ所霊場でも香川県の札所となっているため香川県のお寺と思われがちですが、本堂などの所在地はわずかに県境を超え徳島県となっています。
※写真の撮影日はすべて2022年10月31日です。
全長約2600m・標高差約660mを約7分で運転する日本最大級のロープウェイです。
料金はちょっとお高めの2200円(往復)。20分間隔で運転です。
眼下に見えるのは観音寺の市街地。画面中央左側に見えるのはいりこで有名な伊吹島です。
このあたりは標高が約900m。平地よりずいぶん早い紅葉真っ盛りです。
ロープウェイの駅から本堂へ向かう道のそばには五百羅漢の像がズラリ。
個性派揃いで、暗くなってからはちょっと立ち寄りたくない雰囲気の場所です。
鐘楼の裏あたりの紅葉が一番の見どころって感じです。
現在は公園となっているスキー場跡地から観音寺方向。
すぐそばにある「天空のブランコ」は人気のフォトスポットです。
色づく木々の本数は思ったほどではなく、広い範囲で一面が紅葉って感じではないですが、部分的にはとってもキレイです。
このお寺では、個性派の五百羅漢をじっくり眺めてみるのをおすすめします。
※写真の撮影日はすべて2022年10月31日です。
箸蔵寺
三好市池田町にあるある「箸蔵寺」は822年弘法大師による創建と伝えられる古刹。
神仏習合の風習を色濃く残すお寺で、ご本尊は「金毘羅大権現」。
広い敷地内には6つの国指定重要文化財があります。
弘法大師がこの地で「金毘羅大権現」から授けられたご信託が、箸を使う者(すべての人)を救済するという誓いでこれがお寺の名前の由来なんだそうです。
ご本尊が「金毘羅大権現」であること、こんぴらさんのお祭りで使われた箸を天狗がこの地に運んだという伝説などもあって「こんぴら奥の院」としても親しまれています。
※こんぴらさんの本宮からさらに583段進んだ先にある神社を奥の院と呼ぶ人も多いですが、こちらは「嚴魂神社(いずたまじんじゃ)」という神社であるため奥社と呼ぶのが正しいようです。
※写真の撮影日はすべて2022年11月14日です。
箸蔵寺へ向かうにはロープウェイを利用するのが一般的です。
ロープウェイは登山口駅から山頂駅まで全長948m・標高差342mを約4分で運行(間隔は15分)。運賃は往復で1700円(大人)です。
ロープウェイの山頂駅から本坊(方丈)横を抜けたところにある護摩殿。
本坊とともに国の重要文化財です。
隙間なく重ねられた石垣に生える苔がキレイです。
ぼけ封じ観音。左奥に見えるのが「鐘楼」。
「鐘楼」横から「薬師堂」横の踊り場まで51段、そこから「御本殿」前まではさらに172段。
直線の階段が合計で223段。滅多に見ないような強烈な石段です。
参考:多くの人の記憶にあるこんぴらさん本宮直前の石段は133段です。
石段を登り終えると正面には「御本殿」があり、左右に広い平地が広がるエリアに出ます。
本殿のあるエリアは標高が545m。ロープウェイの駅の辺りからだと標高差が約45m。
ビルで言うと15階分くらいの高さを石段で一気に上がってきた感じです。
足腰に自信のない人は判断に迷うところです。
上の3点はいずれも「御本殿」。江戸時代末期の建物です。
随所に細かい細工が施されたこの建物も国の重要文化財です。
本殿エリア東側の奥まったところにある「観音堂」。
秋深い時期ですが、桜の木にはたくさんの花が見られました。
本殿エリア西側の奥まったところ「八十八ケ所御砂踏」と呼ばれる広場のあたりが、この日最高の紅葉スポットでした。
箸蔵寺は仁王門のあるあたりと本殿エリアでは標高差が100m以上。また、同じエリア内でも陽当たりの関係などで紅葉時期は大きく違ってきます。
色づき始めから落ち葉の時期まで、その時々の紅葉を楽しみましょう。
※写真の撮影日はすべて2022年11月14日です。
祖谷
日本三大秘境の内のひとつ、徳島県三好市にある「祖谷(いや)」をご紹介です。
※ちなみに他の2つは岐阜県の白川郷(しらかわごう)と宮崎県の椎葉村(しいばそん)。
四国山地の奥深くにある山村で、渓谷美やかずら橋、温泉、祖谷そばなどで有名な四国を代表する観光地のひとつです。
※写真の撮影日はすべて2021年11月15日です。
高速を井川池田インターで降りて、国道32号で高知方向へと進みます。
吉野川沿いを上流方向へと進み、祖谷口で左折し県道32号に入ります。
途中、工事現場で長時間の足止め。車を降りてガードレール横から川を覗き込んでの撮影です。
通行可能になった後は、10数台の車が列になって坂を登っていきますが、対向車と出会うともう大変。
時々バックなどもして、なんとかかわしながら細い道をどんどん登っていきます。
途中「祖谷渓展望台」の表示を見つけますが満車で付近にも駐車スペースは見当たらずスルー。
最初に車を止めたのがこの「小便小僧」。崖の上にあるあの有名なやつです。
像の足元にはたくさんの1円玉がまかれていましたが、どういう意味なんでしょう。
沿道は紅葉真っ盛りです。
「ホテル祖谷温泉」のケーブルカー。
ホテルの建物から谷底の源泉掛け流し露天風呂へと向かっています。斜度は驚きの42度です。
「ホテル祖谷温泉」と「ひの字渓谷」の間で見かけたバス停。
眠る谷。美しいネーミングです。
川の曲がり具合がひらがなの「ひ」に見えるということで「ひの字渓谷」です。
小さな看板はあったと思いますが、うっかりすると通り過ぎてしまいそうなので注意が必要です。
それっぽい場所を見つけたら車を停めて、眼下の谷を覗き込んでみましょう。
谷底なので紅葉は若干遅く、見頃は数日先といった感じでしょうか。
参考:ベストの撮影時間は不明ですが、夕方は完全な逆光になるのでNG。ちなみに上の写真の撮影は午前11時半です。
「ひの字渓谷」の辺りから北側の山並の眺望。
徳島を代表する観光地「祖谷のかずら橋」です。
平家落人の里である祖谷で、追手が迫った際に切り落とせるように作られたとの説があります。
かずら橋は上の写真のもの以外にも「奥祖谷二重かずら橋」などがありますが、上の写真の橋が交通の便などもあって特に有名で観光客も多く訪れます。
かずら橋周辺は観光地なのでさまざまな土産物屋や食堂などがあります。
この時食べた名物の祖谷そばは個人的にはんっ?って感じでしたが、話のタネに一度食べてみることをおすすめします。
かずら橋の辺りから車で約30分、さらに奥地剣山方向へと進みます。
上の写真は「落合集落展望所」付近から撮影した「落合集落」の全景です。
江戸中期から昭和初期にかけて形成された景観で、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
山の急斜面に広がる集落は上と下で標高差が390mもあるそうです。
集落の中に入り込んでしまうと何が何だかって感じになってしまうと思うので、全体を見るためにまずは谷を挟んで反対側にある展望所を目指すのがいいと思います。
※写真の撮影日はすべて2021年11月15日です。
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