今回紹介させていただく「中津渓谷」は「仁淀川」の支流・中津川にある渓谷で、
“仁淀ブルー”が見られる場所としては、「にこ淵」や「安居渓谷」と並んで代表的なスポットのひとつです。
秘境感もある山中の渓谷ですが、交通量の多い国道から近く、行きやすい場所にあるのが特徴。
「にこ淵」や「安居渓谷」とは地質帯が異なるため、独自の風景が見られる点でもおすすめです。
「中津渓谷」へと向かいます
「中津渓谷」へは松山と高知を結ぶ幹線道路・国道33号線を利用して向かいます。
松山や高知から来る場合は1本道ですが、西条から向かう場合は国道194号から国道439号に入り仁淀川町川口の交差点で国道33号と合流します。
国道33号から「中津渓谷」方面への分岐は松山方面からだと左斜めに滑らかに進むだけですが、逆方向からやってきた場合はUターン気味に右折します。
国道の分岐から450mほど進むとこの写真の場所、中津渓谷の駐車場に到着です。
駐車場は廃校になった小学校のグラウンドで、約30台が駐車可能です。
「中津渓谷 ゆの森」利用の方以外はこの駐車場を利用するよう勧められていました。
中央の橋の右側にある建物が「中津渓谷 ゆの森」で、宿泊の他、食事や日帰り入浴などもできます。
便数は限りなく少なそうですが、バスを利用してここまで来ることもできるみたいです。
散策を始める前に「中津渓谷」の大まかな地図を頭に叩き込んでおきましょう。
川は途中でふた手に分かれます。
右側の方は「雨竜の滝」もしくは「竜宮淵」で折り返し、左側の方は「石柱」まで行って戻るというのが一般的なようです。
渓谷入口から「雨竜の滝」まで
「笑美寿茶屋」という食事をしたり、土産物を買ったりできる建物があって、
その奥が遊歩道の入口になっています。駐車場からこの場所までで約200mです。
こんな感じの道が上流に向かって続いています。
「中津渓谷」でよく見られるこの赤い岩は「チャート」と呼ばれる堆積岩。
海底に堆積したプランクトンが岩になったもので、鉄分が混ざることで赤くなるんだそうです。
紅葉瀧のそばで佇んでいた「福禄寿」。上の案内板によると七福神7人と不動尊で、合計8体の像があるみたいですが、
注意力が足りないのか3体くらいしか気がつかなかった気が。
途中、岩の下を遊歩道が抜けている場所もありました。
この橋の上で写真を撮っている方を何組か見かけました。フォトスポットです。
「雨竜の滝」のすぐ手前のあたり。
周囲を高い岩壁に囲まれた独特な雰囲気の場所です。
この渓谷のメインスポット「雨竜の滝」です。
結構水量が多い時期だったみたいで、周辺にはしぶきがかなり舞っていて、
レンズについた水滴を時々ぬぐいながらの撮影です。
道は滝の手前で行き止まりになっていて、別のスポットに向かう場合もここで引き返す必要があります。
「石柱」へと向かいます
「雨竜の滝」から少し戻ったところで展望台へと続く道に進みます。
展望台はすぐ目の前でほんの数十メートルくらいの距離しかないんですが、
この間の傾斜がかなり急で、自分的には行程中一番の難所だった気がします。
簡単な作りの展望台から下流方向を見るとこんな感じ。
展望台のすぐ下が2つの川の合流点で、先ほど行った「雨竜の滝」は左下方向、これから向かう「石柱」は右下へと続く川の上流部にあります。
「竜宮淵」を目指して遊歩道を進みます。
「竜宮淵」。
滝の下半分が見えてませんが、遊歩道の上からだとこのくらいで精一杯。
先ほどの「雨竜の滝」のすぐ上にある滝で、すぐそばに「雨竜の滝」の水の落ち口があります。
「竜宮淵」の滝の落ち口の真上あたりにある橋に立って上流方向を撮影。
この先には何もなさそうな気がしたのでここで引き返します。
車道を下流方向へ250mほど進んだところで「昇雲橋」がかかる場所に出ます。
案内板に従って橋の手前を右折し「石柱」へと向かいます。
「石柱」までは240mってことだったので簡単に考えてたんですが、
急な坂を下り、吊り橋を渡った後に下りた分の坂を再び登るという理不尽な道。
後で分かったんですが車道を進み、「昇雲橋」を渡ったところで右に進めば、
坂道に悩まされることもなく簡単に「石柱」まで辿り着けていたみたいです。
この区間の道は歩く人も少ないようで、草深い道を進むことになります。
無駄に坂道を歩くことになってしまいましたが、途中こんなキレイな淵に出会ったりもしたのでまあプラマイゼロってことで。
「石柱」のすぐ横にあった祠。
祠の右奥に「石柱」を見るための橋がかかっています。
橋の上に立って下を覗き込むとこの不思議な形をした「石柱」が立っています。
なお、「石柱」は“せきちゅう”ではなく“いしばしら”と読むんだそうです。
車道を通って入り口へと戻ります
「石柱」から階段を登った場所がここ。車道を通って「石柱」へ向かう場合はここが下り口です。
車道を約200m進むと先ほどの「昇雲橋」がかかっている場所に到着です。
再び川沿いの遊歩道に入ることも考えたんですが、
大きな三脚を抱えて疲れていたのでのんびりと車道を下ることにしました。
「昇雲橋」から600mほど進み、下に「笑美寿茶屋」や「中津渓谷 ゆの森」が見えたあたりで、
車道よりも歩く距離を大幅に短縮できそうな渓谷入り口への案内板を発見。
急な山道を下ります。
17時15分に渓谷入り口の「笑美寿茶屋」に到着。
何か食べようかなとも考えてましたが、ずいぶん前の午後4時に閉店済み。
外の自販機でジュースを買い、駐車場へと向かいました。
まとめ
何度か行ったことのある「にこ淵」に加え、今年「安居渓谷」と「中津渓谷」を訪問したことで、
“仁淀ブルー”を代表する3スポットコンプリートです。
今回訪問した「中津渓谷」で印象に残ったのは赤い岩と深い谷。
他の2カ所とは地質帯が異なるということで、独特の景色が見られるんだと思います。
結構深めの暗そうな谷で、“仁淀ブルー”が本当に見られるのか若干疑ってましたが、そんな心配は無用でした。
あと、アクセスが簡単ってことも大きな特徴で、
四国の幹線道路のひとつである国道33号線から、わずか500m程度入りこむだけでもう渓谷の入り口です。
細い道の運転に悩まされることもなく、簡単に秘境感たっぷりの渓谷に行くことができるのはありがたいですね。
川沿いの遊歩道もよく整備されていて、散策時間は往復で2時間くらい見ておけば十分だと思います。
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