2026年2月 東京京橋「アーティゾン美術館」で
「クロード・モネ 風景への問いかけ」展を鑑賞

「アーティゾン美術館」で開催中の「クロード・モネ 風景への問いかけ」展に行ってきました。

オルセー美術館からやってきた作品が全体の約3分の2、

オルセーを中心に内外から集まったモネの作品が全体の半分弱を占めるって感じの展覧会です。

重要な作品もいくつかあったようなので当日撮影した写真を使ってレポートです。

※掲載した写真はすべて当日現地で撮影したものです。

※展示作品の半分以上がモネ以外の作品でしたが、今回はモネの作品限定のレポートです。

クロード・モネ 風景への問いかけ

🔸会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室

🔸会期:2026年2月7日〜5月24日

🔸休館日:2月16日(月)、3月16日(月) 、4月13日(月)、5月11日(月)

アーティゾン美術館へ向かいます

前日に降った雪がまだ残っていました。

美術展の入場は完全予約制。

この日はまったく空きがないみたいで飛び込みで来た人は入場を断られていたみたいでした。

2階に上がりロッカーに上着やバッグを入れた後エスカレーターで3階へ。

3階でチケット(QRコード)を見せた後エレベーターで6階に上がります。

6F セクション1ー8

「クロード・モネ 風景への問いかけ」展に入場です。

展示会場は全部で13のセクションに分かれていて順番に進んでいくんですが、

セクション3くらいまでは大混雑で、列もほとんど進まずストレスが溜まるかもしれません。

クロード・モネ「かささぎ」1868-69

順番に見ていって初めて立ち止まったのがこの作品。

以前に赤瀬川原平さんがこの絵について別冊太陽で書いていたのを覚えていたためです。

雪の色や反射、空気感ってことらしいですが、もし何も知らなかったとしたら確実に通り過ぎてしまってましたね。

クロード・モネ「チュイルリー公園」1876頃
クロード・モネ「ポール=ヴィレのセーヌ川」1890頃

上の2点のような作品は、自分的には物足りなさを感じてしまい何をどう見ればいいのかわからない感じ。

4ブロック目あたりまではモネ以外の作品も含めてこんな感じの作品が続いた印象です。

クロード・モネ「サン=ラザール駅」1877

自分の感覚で素直に引っかかったのは、この作品が1点目。

モネはサン=ラザール駅の絵を連作で十数点描いてますが、このオルセーの作品が代表作ってことでいいと思います(多分)。

以前から何度も画集などで見ていた絵で、本当の意味での初見ではないんですがいいですね。

なお、描かれた1877年は日本では明治10年西南戦争の年。

クロード・モネ「ヴェトゥイユのセーヌ川」1879-80
クロード・モネ「ヴェトゥイユの雪景色」1878-79
クロード・モネ「ヴェトゥイユの教会」1879

上記の3点はいずれもセーヌ川越しにヴェトゥイユの教会を描いたもの。

ヴェトゥイユはパリから約60kmの場所にある、モネが1878年から1881年にかけて住んでいたセーヌ川畔の町。

モネはヴェトゥイユ在住中に約150点の作品を描いており、うち約60点にこの教会が登場するんだそうです。

クロード・モネ「ボルディゲーラのヴィラ」1884

ぱっと見で他の作家の作品かなと感じましたがモネの作品でした。

ジヴェルニー移住後に旅行で訪れた地中海沿いの街「ボルディゲーラ」での作品です。

クロード・モネ「戸外の人物習作ー日傘を持つ右向きの女」1886

展覧会のパンフレットに唯一掲載された、主催者側はおそらく今回のメインと考えているであろう作品です。

この日傘をさす女性の作品には他に2点の類似作品があって、素人目にはほとんど同じ作品に見えるんですが、

実は1作目と2・3作目(本作は3作目)では描かれた時期やモデルがまったく違うんです。

大元になった1作目の作品は1975年に妻カミーユをモデルに描かれました。表情が書き込まれ、足元には息子のジャンが描かれています。

2・3作目はカミーユの死後の1886年に描かれたもので、モデルはモネの再婚相手であるアリスの娘シュザンヌです。これらの絵は亡き妻カミーユと似たシュザンヌをモデルにカミーユを想いながら描いたものとされ、表情が描かれていないのはモネの中でこの女性が人物ではなく記憶の中の風景という認識だったためだそうです。

モネが描いた人物の絵は今回展示のこの表情のない日傘の女性が最後で、以降人物の絵を描くことはなかったそうです。

クロード・モネ「ルーアン大聖堂 扉口 朝の太陽」1893
クロード・モネ「ルーアン大聖堂 扉口とサン=ロマン塔 陽光」1893

モネは“睡蓮”や“積みわら”、“ポプラ並木”などさまざまなモチーフで連作を行なってますが、この“ルーアン大聖堂”もそのうちのひとつ。

1892年から1894年にかけての30点の連作で、ほとんどが同じような角度から描かれており、モネの光へのこだわりが感じられる作品群です。

クロード・モネ「ディエップ近くの断崖」1897

ディエップはパリから北西に約140km、イギリス海峡に面したノルマンディー地方の港町。

パリからだと最寄りの海ということでモネは何度か訪れたみたいです。

この作品は色や構図などが自分好みです。

クロード・モネ「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」1904

ロンドンの国会議事堂もモネの連作の対象で、1900年から1904年にかけて約20点制作されました。

5F セクション9ー11

クロード・モネ「睡蓮の池、緑のハーモニー」1899

ガレの作品も展示されてました。

クロード・モネ「睡蓮」1903

大好きなアーティゾン所蔵の睡蓮(1903)です。

いつもより発色が弱い感じで見えたのはライティングのせい? それとも気のせい?

クロード・モネ「しだれ柳」1920-22

モネ晩年の作品で、抽象の領域にかなり踏み込んでいる印象の作品ですが、

何か惹かれるのはどうしてでしょう。

モネが目を患ったことと関係があるのか無いのか定かではありませんが

巨匠が最晩年に至ったこの境地、後の時代の美術との関連なども含めて興味が尽きませんね。

4F カタリウム

小杉未醒「山幸彦」1917

展覧会場3フロアのうちのひとつ4階では“カタリウム”という名称の展覧会が行われていました。

パンフレット

パンフレットに作品情報と美しさを求める自分としてはちょっと残念な出来。文字が多すぎます。

個人的にはステッカーやグッズ、カフェの案内はバッサリ省いて主要作品をいくつか掲載して欲しかったです。

まとめ

今回展示されていたのが139点で、その内モネの作品は59点。

また、約90点(うち41点がモネの作品)がオルセー美術館所蔵の作品ということで、

今回の展覧会はモネ展であると同時にオルセー美術館展でもあったと思います。

自分好みの作品は少なめで、直後は若干物足りない印象だった展覧会ですが、

色々と記憶をたどったり調べながら記事を描いている中で、いくつか発見もあったりで最終的には楽しめた感じでした。

話は変わりますが「アーティゾン美術館」は自分のイチオシの美術館。

3フロアをフルに使った所蔵作品の展覧会が待ち遠しいですね。

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