びっくりするくらい美しい「西条まつり」です

愛媛県西条市で毎年10月の中旬に開催される「西条まつり」をご紹介です。

「西条まつり」は市内にある4つの神社(石岡神社・嘉母神社・伊曽乃神社・飯積神社)のお祭りの総称です。

石岡神社と伊曽乃神社のお祭りでは“だんじり”、嘉母神社と飯積神社では“太鼓台”と呼ばれる山車が多数出ます。

まずは「西条まつり」で登場する山車・神輿の紹介です。

左上:だんじり 伊曽乃神社・石岡神社の祭礼で登場します。 

右上:伊曽乃神社お神輿 下のお神輿との関係でこちらのお神輿は“かみさん”と呼んでいる人も多いようです。

左下:お神輿 伊曽乃神社のお祭りで4台登場します。だんじりよりもひと回り大きく、大きな車輪のついた独特なデザインです。

右下:太鼓台 嘉母神社と飯積神社のお祭りで登場します。山車の形は新居浜まつりと同じです。

4つの神社で開催される「西条まつり」ですが、規模は伊曽乃神社のものが圧倒的に大きく、通常西条まつりといえば伊曽乃神社の祭礼を指す場合が多いと思われます。

以下は、伊曽乃神社祭礼での夜の行事3つの紹介です。

伊曽乃神社 宮出し

日付が15日に変わった頃からそれぞれのだんじりが地元を出発し伊曽乃神社に向かって集まり始めます。

すべてのだんじりが神様をお迎えするために神社に集合し、「西条まつり」がスタートです。

石段をかき上げて進み、本殿前で高くさし上げる宮出しは、各だんじりにとっても大きな見せ場です。

メロディー橋から神社へと続く通りでは提灯をつけただんじりが連なって境内へ入る順番を待っています。

だんじりをかきあげ、参道の坂道や石段をどんどん登っていきます。

本殿前では大勢の見物客の中、だんじりを高くさし上げます。

本殿そばの広場にだんじりが大集合です。

坂下のあたりに神輿が姿を現したら宮出しの神事は最終盤。まもなく夜が明けます。

お旅所

お祭り2日目(最終日)の10月16日、深夜1時頃から大町常心のお旅所前の広場にすべてのだんじりが集まってきます。

お旅所は神様のお神輿の休憩場所です。

集まってきただんじりは順番に神様の前で奉納の練りを行い、統一運行の際の順番が書かれた番号札を受け取り、その後は番号ごとに定められた場所におさまっていきます。

やきそば、からあげ、りんごあめ・・・広場の周囲にたくさんのお店が出て賑わう中、

酔いつぶれて道端でうずくまる人、散乱したゴミやゲロ、機動隊のものものしい警備、頭上を飛び交う伊勢音頭と時間が経つごとにどんどん増える見物客。

カオス化した空間の中、だんじりの入場と練りが繰り返されます。

広場の周辺を埋め尽くすだんじり。

夜明け後の運行に備えて、次々に提灯は外されていきます。

すべてのだんじりに提灯の明かりが灯っているのは整列後わずかの時間だけなので撮影する方などは注意が必要です。

すべてのだんじりが奉納を済ませ定位置に収まった午前4時半〜5時頃、4台の大きな神輿屋台が提灯を暴れさせながら勢いよく走りこんできます。

ここがお旅所神事でのクライマックスであり見どころなので見逃さないようにしましょう。

川入り(宮入り)

通の人の中にはやっぱり「西条まつり」は初日の宮出しだよねなんて人も少なくないですが、

多くの見物客にとって「西条まつり」のメインはやはりこの川入りです。間違い無いです。

16日の15時頃からだんじりが集まりはじめ、暗くなる頃には川に入る数台が両岸の水際に、残りは加茂川の東側の土手に整列します。

土手に並ぶだんじりの台数が70台に近づいてきたら、いよいよです。

神様の神輿が姿をあらわし、土手を下って川に近づいたら川入り行事のスタートです。

左右の川辺からいっせいにだんじりが水の中に入り10数分くらいでしょうか、

時には腰くらいの深さがある川の中を練り歩きます。

川を渡り、祭りを終えようとする神様の神輿をだんじりがさえぎり名残を惜しむという趣の行事です。

1台目のだんじりが土手上に姿をあらわすのは大体午後3時頃です。

川の西側から川入りする数台がメロディー橋を通って対岸へと渡ります。

川入りが始まる時間ですが、データが残っている3回分について書いておきます。

2015年は午後4時55分。2016年は午後5時39分。2022年は午後5時44分でした。

陽が落ちる前に、神輿が岸に上がることも何度かありました。

見物客やカメラマンは勝手なもので夕闇の中、提灯をつけて練り歩くだんじりの美しい姿に感動したりしますが、伊曽乃神社の御祭神は太陽の神様である天照大御神(アマテラスオオミカミ)。本来は日の出とともに宮出しし、日の入りとともに宮入りするのが理想なんだそうです。

アクセス

今回は「西条まつり」のうち宮出し、お旅所、川入りの3つの行事を紹介させていただきましたが、

駐車場はすべて共通です。

国道11号線のホテルイレブンやファミリーマートのある加茂川西側の交差点(交差点名は加茂川橋交差点)を北側(海側)へ曲がってすぐ河川敷に下りる道がありその先が広い駐車場になっています。

お旅所は国道11号の加茂川橋を渡り切ったところで右折、東側土手を上流方向へ300mほど進んだところ。徒歩5分。

宮出し(伊曽乃神社の境内)と川入りへは加茂川の西岸を上流方向へと進みます。駐車場から約500m約5分でメロディー橋。この橋の脇を下ったところが川入りの会場。伊曽乃神社はメロディー橋のところの交差点を右折しまっすぐ500mほど進んだところにあります。駐車場からだと徒歩10分くらいだと思います。

上の写真は2016年撮影の駐車場の写真で国道11号から南側を撮影したものですが、昨年(2022年)は国道11号の北側だけでこの場所は駐車場にはなっていませんでした。

※駐車場の位置や範囲などは年ごとに変更になっているようなので確認は自己責任でお願いします。

訪れる時間ですが、場所取りの必要性があまりない宮出しとお旅所は午前2時頃、川入りはもし川際の最前列を確保したいのであれば待ち時間は長くなりますが午後1時くらいを目指していくのがいいと思います。

※午後1時くらいだと駐車場はまだガラガラ。3時くらいになると駐車場、会場ともにかなり混雑し始めてくる感じでした。

まとめ

今回は「西条まつり」の中で最も規模の大きい伊曽乃神社の祭礼を取り上げましたが、

資料を見たりする中でびっくりしたのは伊曽乃神社の御祭神が天照大御神(アマテラスオオミカミ)で太陽の神様だったということ。

大雑把に言うと、神様の活動時間は昼間で、夜は準備や休憩などの時間とのこと。

自分の中では、「西条まつり」は夜だって勝手に思い込んでいただけに衝撃でした。

とはいえ、「西条まつり」の夜が素晴らしいのは紛れもない事実。

80数台ものだんじりが一ヶ所に集まり、提灯に灯されたろうそくの炎が夕闇に映える様子は幻想的でもあり本当に美しいものです。

中でも川入り行事の美しさは、全国の他のお祭りと比べてもちょっと頭ひとつ抜け出てるなと感じるのは自分だけでしょうか。

新居浜まつりと同様、祭りのすばらしさに対して全国的な知名度はまだまだですがビジュアル的な美しさは全国のお祭りの中でも間違いなく最高レベルだと思います。

コメント

  1. キシモト より:

    川入り迫力あるな。
    戦国時代の戦さの布陣はこんな感じだったんだろうな。大河ドラマのショボイ戦闘シーンと比べものにならない。熱気が違う。

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