だんじりが川の中を練り歩く美しいお祭り
「西条まつり・川入り」の撮影案内です

毎年10月16日の夕方に行われる「西条祭り」の“川入り”は、

提灯をつけた“だんじり”と呼ばれる巨大な山車が川の中を練り歩く美しい行事で、

2日にわたる「西条祭り」の行事の中でもメイン的なイベントです。

今回はその“川入り”を写真を撮る人目線で紹介します。

※撮影日は写真下に日付の表記がある2点以外はすべて2025年10月16日です。

駐車場から“川入り”会場へ

車を停める場所は色々とありますが、特に心当たりがない方は、国道11号線北側の加茂川河川敷の駐車場を目指しましょう。

16日の午後であれば国道11号の加茂川橋交差点(ファミリーマートのある交差点)を北側(海側)に曲がるとすぐ、案内の方が河川敷に作った駐車場に誘導してくれます。

駐車場から“川入り”の会場までは少し距離がありますが頑張って歩きましょう。

国道11号を横切り、上流方向へ約600m進んだ所にかかる伊曽の橋(メロディー橋)のすぐ向こう側一帯が“川入り”の会場です。

まずは撮影場所の確保です

撮影場所が決まれば出来上がってくる写真も大体決まってくる感じなので、どの場所から撮影するかはとっても大事です。

王道は川の西側

定番は西側の川岸の最前列です。

約60台のだんじりが整列するのが東側の土手上なので、それらをバックに川の中を練り歩くだんじりを画面に収めるには川の西側から撮る必要があるためです。

多分ですがプロやセミプロの人たちは全員西側から狙っているはずです。

メロディー橋の近くがおすすめ

だんじりが川の中を練り歩くのはメロディー橋の付近から上流にかけて50mほどの範囲なのでそのすぐ横のどこかで場所を確保する必要があります。

個人的な意見ですが、メロディー橋になるべく近い場所で最前列を確保することをお勧めします。

その場所を選ぶのは画面の中に大きく橋が写り込むのを避けるためです

“だんじり”のジャマにならない場所

あと、重要なのは“だんじり”の運行のジャマにならない場所を確保すること。

“だんじり”のジャマになる場合はいくらいい撮影場所だったとしても、いくら長い時間待っていたとしても容赦なく移動させられます。

“だんじり”が川に出入りするためのスロープ上などはもちろんNGです。

不安な時は、周囲にいる祭りの関係者か撮影のベテランの方に大丈夫な場所か確認しておきましょう。

ここがオススメ

自分が何度か通った中でいい撮影場所だなと思ったのはメロディー橋に近い場所でかつ水面に近い場所。

低い場所からだと“だんじり”を見上げる感じで迫力が出ますし、八堂山が背景になるのですっきりとした画面構成で撮影することができます。

2007.10.16
2007.10.16

上の2点は2007年にメロディー橋の下付近で水面スレスレの場所から撮影したものです。

運が良ければこのような構図で撮ることができますし、さらに運が良ければ山の上に月が出ることもあります。

とはいえ、撮影場所付近の状況は年ごとに大きく変化する印象で、希望の場所を確保することはなかなかできません。

その年の流水量などに応じて川幅や深さを調整している為だと思いますが、水面すれすれの場所で撮影できることもあれば今年のように水面から2〜3m上が最前列ということもあるみたいです。

早い年は13時頃(今年の場合は14時半頃でした)に最前列がカメラマンで埋まりますので、確実に場所を確保するためにはなるべく早めに出かけましょう。

以上、王道の撮影場所の説明をさせていただきましたが、自分たちが知らない穴場の撮影スポットも必ずあるはずです。

例えば、早い時間に川入りが始まる場合などは東岸から夕焼けをバックに撮影することができるかもしれないですし、西岸の高い位置から見物客の頭越しに“だんじり”という構図も面白いかもしれません。

水に浸かる覚悟がある方はメロディー橋の下あたりで場所を確保できれば最高かもしれません。

“だんじり”が集まり始めます

その年の運行状況にもよりますが、午後3時頃に1台目の“だんじり”が加茂川の土手上に姿を現します。

川の中を練り歩く“だんじり”は10台くらいだったと思いますが、

その約半数の西側から川に入る“だんじり”はメロディー橋を通って西岸へと移動します。

橋を渡ったところですぐ折り返し、坂を下って河川敷の待機場所へ移動します。

ひと盛り上がりした後、定位置にだんじりを下ろします。

休憩タイムがスタート。

西条まつりでは日本酒などの回し飲みが日常的な風景。酔い潰れて寝ている人や歌っている人、女の子たちは撮影に夢中だし、酒のせいかどうかはわかりませんが喧嘩を始める人たちもいたりして、

そんな感じの時間が約1時間続きます。

川辺の最前列で場所を確保しているカメラマンの一部は、この時間特にすることがないので休憩中の人たちと話をしたり、写真を撮らせてもらったりしているみたいでした。

提灯の明かりはLEDなどではなくロウソク。提灯が燃え始めて慌てて消火している様子も何度か見かけたことがあります。

暗くなってくるにつれて、ロウソクの灯りが存在感を増していきます。

東側から川に入る“だんじり”のうちの1台。定位置に到着後、休憩中です。

加茂川東岸の土手上に南側から順番に“だんじり”が整列していきます。

最終的には60台ほど土手上に整列しますが、現時点ではまだ10台。撮影時間は午後4時13分です。

時々晴れ間ものぞくんですが、小雨が舞うこともあったりしてほとんどの“だんじり”がビニールをかけ始めます。

整列した“だんじり”の数がぐっと増えました。撮影時間は午後5時23分です。

午後5時23分、神社関係者と思われる行列が橋を渡っていきました。

土手に神さんのお神輿が登場すると数分後には川入りのスタートです。撮影時間は17時24分。

川入り予定の“だんじり”が次々と川辺に向かいます。撮影時間は午後5時26分。

土手上に並んでいる“だんじり”の数はざっと数えたところ63台みたいです。

川入りスタートです

※撮影場所は西岸で“だんじり”が川へ出入りするために2箇所設置されたスロープのちょうど中間地点あたり。メロディー橋からだと上流方向へ約20m、水面からの高さは3mくらいの場所です。

川入りがスタート。時刻は午後5時35分です。

川入りが始まる時間ですが、データが残っている3回分について書いておきます。

2015年は午後4時55分。2016年は午後5時39分。2022年は午後5時44分でした。

最初の数分は撮影場所からは少し離れた上流方向で練りあっています。

次第に下流側に移動してきます。

この写真は自分の撮影場所のすぐ下あたりを撮影したもので、中央のお神輿までの距離は5mくらいだと思います。撮影時のレンズの焦点距離は20mmです。

神さんのお神輿は午後5時42分頃に川岸に上がりましたが、何台かの“だんじり”はその後も数分間川の中を練り歩いていました。

“だんじり”が帰路に着きます

川入りを終えた“だんじり”がそれぞれの地元へ帰っていきます。

まだわずかに空に明るさが残ってはいますが、提灯の灯りがひときわ鮮やかになってきました。

カメラの機材や設定などについて

夜のお祭りで、動く被写体であるため撮影はとても難しいです。

ブレを防ぐためには少なくとも1/100秒くらいのシャッタースピードは確保したいですね。

今年(2025年)は比較的早い時間に川入りが始まったのでISO6400で1/100秒をずっとキープできましたが、川入りが始まる時間によっては、ISO6400まで上げても1/100秒が確保できない場合も何度もありました。

その場合できることはISO感度をさらに上げるか、開放値が1.4とか1.8などの明るいレンズを使うことです。

自分の使っているカメラではISO6400以上はノイズが目立ち始めるのであまり使いたくはありませんが、最近は12800あたりまで使えるカメラも多いようなので可能な方は高感度性能の優れたカメラを使いましょう。

撮影する際のレンズの焦点距離ですが、約200枚撮影したうちの57枚が使用したズームレンズのワイド端20mmでの撮影で、対岸のだんじりをアップで狙った数点を除くとほぼ60mmまでの範囲で収まっていたみたいです。

開放値の明るい単焦点の広角レンズの使用は有力な選択肢です。

三脚については、最近のカメラやレンズの手ぶれ補正機能はすごく優れてますし、広角レンズで1/100秒以上のシャッタースピードを確保する場合などまったく不要といってもいいんですが、場所取りで大活躍ですし、ブレに関しても使わないよりは使った方がいいに決まってますので必ず持っていきましょう。

フラッシュは使ったことがないのでよくわかりませんが、有効な距離に“だんじり”が入ってくることも結構あると思います。ブレも防げますし発色も良くなって面白いかもしれません。

まとめ

西条まつりの川入りは自分の知っている限りでは最も美しいお祭りです。

夕方から夜にかけての行事なので撮影はかなり難しいです。

暗すぎるとシャッタースピードを稼げずブレてしまったり、ノイズが出てしまったりするし、

今年のように比較的明るい時間帯だった場合はブレずには取れるんですが、暗闇に映える提灯の感じが表現できなかったりと本当に撮るたびに何かがうまく行かない感じです。

この記事など参考にしていただいて、なるべくいい撮影場所を確保、持っている機材を最大限に有効活用して魅力的な写真を撮ってください。

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