森に眠る鉱山の町「旧別子」探訪記
その2 ダイヤモンド水から銅山越えへ

別子銅山の産業遺跡などを巡る登山記の2回目です。

ダイヤモンド水を出発して、行き帰りで別のコースを歩いてみました。

今回の行程の折り返し地点である銅山越え(1294m)の付近では、

ツガザクラの群落やアカモノなども撮影。

新居浜近郊にお住みの方なら十分に日帰りが可能な山登り初心者向けのおすすめコースです。

今回歩いたコースの高低差表です。

ダイヤモンド水 → 大山積神社(850m) → 蘭塔場の西側を通る道にある鉄塔(1040m) → 牛車道との合流点(1360m) → 銅山越(1710m) → 前山付近のツガザクラ群生地(2050m) ※かっこの中の数字はダイヤモンド水からの大体の距離です。駐車場からの距離を知りたい場合はそれぞれに1500mを足してください。

上記は小足谷川東側を通る通常ルートの場合の高低差表です。

歓喜坑のあたりでダイヤモンド水から約1000m、銅山越は約1250m地点です。

ふたつの高低差表のスタート・ゴールは同じ場所。最初の280mと最後の360mは共通の道です。

ダイヤモンド水を出て目度町・大山積神社方向へ

このコースで川が注目されることはほとんどないと思いますが、

かなりの傾斜地を勢いよく滑り落ちる水の姿をあちこちで見かけます。

画面中央の赤っぽい岩のように見えるのがカラミらしいです。

「ダイヤモンド水」を出発して5分くらいでこの分岐にやってきますが、

ここが今回の登山中一番大事な分かれ道です。

特にこだわりがない場合は下の写真の橋を渡り、

“第一通道南口経由 峰地蔵・銅山越”方面へと進みましょう。

距離も短いし、見どころの多くもこちらのコースに集中しています。

ただ、今回自分は行きと帰りで違う道を通ってみたかったので、

この「東延谷橋」は渡らず目度町方向へ進んでみることにしました。

歩き始めてすぐ50mほどで次の分岐です。

左に進む道もあって若干わかりにくいかもしれませんが、ここは右側にある橋を渡って進みます。

この先しばらく急な坂が続きます。

山道を階段状にして登りやすくするために板が設置されていますが、

木の根っこを傷つけないよう配慮されてます。

両見谷を通過。

見花谷を通過。

かなり苔むしてますがこれが大山積神社へと続く道(神社の石段?)です。

大山積神社跡を出発してすぐ100mほどで、この土持谷の分岐にさしかかります。

谷の向こうで道が左右に伸びています。左は上りで右は若干下っています。

この時はよく地図を確認せず、木に結ばれた赤いテープを見て左方向の登りの道へと進みました。

ただ、この左に進む道はちょっと訳ありで、国土地理院の地図には載っていますが、登山中あちこちに立っている案内板ではまったく触れられていません。

結局は結果オーライで大丈夫だったんですが、明らかに判断ミスです。

後で分かったんですが、右へ行くと蘭塔場入口を経由して5分ほどで小足谷川の東側を登ってきたメインルートと合流していたようです。

蘭塔場の西側の道を通って銅山越えへ

本来思っていたコースからそれてしまっていることにまったく気づかないままどんどん山を登っていきます。

メインルートにはないドキドキスポットです。

これも道で、岩を乗り越えた先に道が続いています。

谷を挟んで西側の山肌がなんだか不思議なことになっています。

白いのは岩?苔?

岩場に近いような道を進みどんどん標高を上げます。

結構きつい坂が続き疲れていたので、この鉄塔の下で2〜3分休憩しました。

鉄塔下を出発してすぐ広い道に出ました。

ここも深く考えることなく直感的に銅山越に近づきそうな左方向へと進みます。

ここも後からわかったんですが、この広い道は牛車道の跡で右へ進むとなだらかな道を進み歓喜坑の近くでメインルートと合流していたようです。

崩落現場?って感じですが、立派な登山道です。

谷を挟んで西側の山は木々の間に岩が目立つ山肌です。

この時期、花は本当に少ないんですが木々の新芽新緑はあちこちに。

再び分岐です。どちらに行っても銅山越えですが、銅山越えは明らかに右方向なのでそちらへ進みます。

ちょっと細いように感じますが、牛車道の跡だと思います。

メインルートと合流です。歩いてきた道はここでは笹ヶ峰の方向ってことになってます。

銅山越に到着です。

駐車場からの所要時間は撮影時間や合計15分くらいの休憩も含めて2時間かかってないくらいの感じです。

銅山越にある峰地蔵。

銅山越にあった案内表示。

ツガザクラ群生地にて

今回登山の目的のひとつは国の天然記念物にもなっている「ツガザクラ」の撮影です。

ツガザクラは銅山越えの付近でもちらほら見られますが、

一番の群生地は稜線を西へ300mほど進んだあたりです。

ダイヤモンド水で汲んだ水と、昨日買った半額おにぎりで昼食休憩です。

ツガザクラの撮影を開始。

写真の白い点々がツガザクラの花です。

盛りのツガザクラを探して付近を歩き回っていると、前山と書かれた看板がありました。

こんな感じのツガザクラが多かったんですが、少し終わり気味って感じなんでしょうか。

銅山越へ戻る途中、西赤石山方向を撮影。

銅山越えから下山 歓喜坑へ

銅山越から下山スタート。歓喜坑を目指します。

今は下りなのでまっすぐ日浦方面へ向かうだけですが、

下から登ってきてここまでやってきた時は、どちらの道を選ぶか選択を迫られる分岐です。

近道は距離は短いが傾斜が急、牛車道経由の場合は傾斜は緩やかですが距離がものすごく長くなります。

この場所と銅山越の標高差は約80m。近道の場合は歩く距離は約230mですが、

牛車道の場合は860mも歩く必要があります。ちょっとでも早く行きたい人は近道一択ですが、

自分だったら両方歩きたいので行きは牛車道で帰りは近道って感じですかね。

少し進んだところに「歓喜坑」「歓東坑」があります。

別子銅山で初めて開かれた坑道で、以降約200年もの間中心となる坑道でした。

ちょっと寄り道 蘭塔場へ

歓喜坑のあたりから約200m下ったところで再び分岐です。

ちょっと寄り道で蘭塔場方向へと進みます。

風呂屋谷を通過。

蘭塔場入口です。

すぐ目の前の小高い山に登るだけですが、傾斜がかなり急で、

ほんの2〜3分の登山ですが一気に登るのは結構きつい感じです。

銅山越の峰地蔵と同様、石組みに囲まれた中にお墓があって卒塔婆が置かれていました。

北西方向の頭上に、朝登山中に休憩した鉄塔が見えていました。

先ほどぜいぜい言いながらなんとか登った、蘭塔場への坂道を見下ろしてみました。

不思議な白い植物の写真を撮っていると、すぐそばで小さな花を発見。

「アカモノ」です。

さっきは坂を登るのに必死で何も見えてなかったんですが、この蘭塔場の山はアカモノの群生地みたいです。

蘭塔場の山を降りたあと、ちょっとだけ奥の方に進んで朝間違えた土持谷の分岐を確認、

今きた道を戻りメインのルートに戻ります。

メインルートに戻り少し下山したところで「寛政谷」を通過。

第一通道南口へ

「第一通道南口」への案内表示が出ていたので再び道をそれてそちらへ向かいます。

人工の立派な水路があって、結構な量の水が流れていました。

トカゲがトカゲに喰らいついてます。

「開坑課 金庫跡」。

「第一通道南口」。

山の南斜面に開いたこの穴は1020m先で山の北斜面へと抜けています。

登山道に戻り少し下ると「東延谷橋」の上に出ます。

「東延谷橋」を渡れば、朝通った場所に出ます。

橋を通過中、下流側を覗いて撮影です。

橋を渡り切った場所から、ダイヤモンド水までは約5分。

そこから登山口の駐車場までは30分くらいで下山できると思います。

まとめ

日浦の登山口駐車場から銅山越を目指すルートは、

案内看板なども多く整備された道が続く人気のコースです。

コースのほぼ全域で別子銅山の産業遺跡を見ることができるのが最大の特徴。

銅山越えのあたりからは新居浜の市街地や瀬戸内海の風景も楽しめますし、

季節によってはツガザクラやアカモノといった植物を見ることもできる盛り沢山な山です。

標高差は500mくらいで、所要時間は片道が1時間半程度。

ほぼ中間地点に水場があることもとってもありがたいです。

登山初心者の方にもおすすめできる山のひとつです。

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